~新洗濯表示マークの読み方と家で洗えるか判断するポイント~
はじめに:洗濯表示が変わった理由
2016年12月から、日本の洗濯表示は国際規格(ISO)に統一された新しいマークに変更されました。2024年の改正でより詳細なルールが定まった。
以前の日本独自のマークから世界共通のマークに変わったことで、海外製品も国内製品も同じ基準で洗濯できるようになりました。しかし、マークの種類が22種類から41種類に大幅に増えたため、「複雑でわかりにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、衣替えの時期に特に役立つ洗濯表示の読み方を、イラスト付きでわかりやすく解説します。
洗濯表示の基本構造:5つの基本記号を覚えよう
新しい洗濯表示は、5つの基本記号を左から順番に並べるルールになっています。

- 洗濯桶(洗い方) – 家庭での洗濯方法
- 三角(漂白) – 漂白剤の使用可否
- 四角(乾燥) – 乾燥方法
- アイロン(アイロン仕上げ) – アイロンの温度
- 円(クリーニング) – プロによる商業クリーニング
これらの基本記号に、「温度」や「強さ」を示す付加記号や数字が組み合わされて、具体的な取り扱い方法を示しています。
【最重要】水洗い可・不可の判断基準
洗濯桶マークで家で洗えるか判断する
衣類のタグをチェックして、洗濯桶のマークがあるかを最初に確認しましょう。これが「家で洗えるかどうか」を判断する最も重要なポイントです。
✓ 洗濯桶マークに数字がある → 洗濯機で洗える
桶の中に「30」「40」などの数字が書いてあれば、家庭用の洗濯機で洗濯できます。この数字は液温(水温)の上限を示しています。
- 「30」→ 30℃以下の水で洗う
- 「40」→ 40℃以下の水で洗う
- 「50」→ 50℃以下の水で洗う
数字が高いほど高温で洗えますが、表示された温度を超えると、縮みや色落ちの原因になるので注意が必要です。
✓ 洗濯桶に手のマーク → 手洗いのみOK
桶の中に手を入れているマークは「手洗いのみ可能」という意味です。液温は40℃以下が基本。ただし、洗濯機に「おしゃれ着コース」や「手洗いコース」があれば、洗濯機での洗濯も可能です。
✗ 洗濯桶に×マーク → 水洗い不可
洗濯桶に×が付いているマークは、家庭での水洗いができないことを示しています。この場合はクリーニング店に依頼しましょう。
洗濯の強さを示す「線」の見方

洗濯桶の下に引かれている横線の本数は、洗濯の強さを表しています。
- 線なし → 通常の強さで洗える(標準コース)
- 一本線(-) → 弱い洗い方(ドライコース・おしゃれ着コース)
- 二本線(=) → 非常に弱い洗い方(さらに優しく)
線が多いほど、デリケートな衣類であることを意味します。ニットやセーターなどは二本線が多く、型崩れを防ぐために優しく洗う必要があります。
ポイント: 洗濯機のコース選びに直結する重要な情報です!
- 線なし → 「標準コース」
- 一本線 → 「ドライコース」「おしゃれ着コース」
- 二本線 → 「手洗いコース」または手洗い推奨
漂白剤は使える?三角マークの見方
△三角マーク → 漂白剤が使用できます
- △のみ → 塩素系・酸素系どちらの漂白剤もOK
- △に斜線2本 → 酸素系漂白剤のみOK(塩素系はNG)
- △に× → すべての漂白剤が使用不可
白いセーターやシャツの黄ばみ対策には、酸素系漂白剤が有効です。衣替え前の「しまい洗い」で活用しましょう。
乾燥方法を示す四角マークの読み方

乾燥に関する表示は、2016年の改正で大幅に増えました。
タンブル乾燥(乾燥機)の可否
□の中に○(タンブル乾燥マーク) → 乾燥機が使えます
- 点1つ(・) → 低温(60℃まで)で乾燥
- 点2つ(:) → 高温(80℃まで)で乾燥
- ○に× → 乾燥機使用不可
自然乾燥の方法
四角マークの中に縦線や横線がある場合は、自然乾燥の方法を示しています。
- 縦線1本(|) → つり干し(ハンガーにかける)
- 横線1本(-) → 平干し(ニット・セーターに推奨)
- 斜め線(/) → 日陰干し(色あせ防止)
重要: ニットやセーターは型崩れを防ぐため、「平干し」が基本です。100均の平干しネットを活用しましょう。
アイロンの温度を示す点の数
アイロンマークの中の点の数で、アイロンの温度設定がわかります。
- 点3つ(∴) → 200℃まで(高温)- 綿、麻など
- 点2つ(:) → 150℃まで(中温)- ウール、ポリエステルなど
- 点1つ(・) → 110℃まで(低温・スチームなし)- アクリル、ナイロンなど
- アイロンに× → アイロン禁止
デリケートな素材ほど低温で、当て布を使うとより安全です。点1つの場合はスチームを使わずに仕上げましょう。
ドライマークの正しい理解
○(円)の中にP・F・W → クリーニング店が使う溶剤の種類
- P → パークロロエチレンなどの溶剤を使用
- F → 石油系溶剤を使用(よりデリケート)
- W → ウェットクリーニング可能
⚠️ 注意! ドライマークは「ドライクリーニングできる」という意味であって、「ドライクリーニングしかできない」という意味ではありません。洗濯桶マークがあれば、家庭でも洗濯可能です。
×マークは「禁止」を意味する
すべての基本記号に×が付いている場合は、その処理が禁止されています。
- 洗濯桶に× → 水洗い禁止
- 三角に× → 漂白剤使用禁止
- タンブル乾燥マークに× → 乾燥機使用禁止
- アイロンに× → アイロン禁止
×マークを見逃すと、衣類を傷める原因になるので、必ずチェックしましょう。
洗濯表示は「上限」を示している
新しい洗濯表示の重要なポイントは、「これ以上強い処理をしてはいけない」という上限を示していることです。
例えば「40℃」の表示があれば、40℃以下であれば水でも30℃でもOKです。「弱く洗う(一本線)」の表示があれば、より弱く洗うのは問題ありません。
逆に、表示された条件よりも強い処理をすると、縮み・色落ち・型崩れなどのトラブルにつながります。
まとめ:衣替えで活用したいチェックポイント
冬物を収納する前の「しまい洗い」では、以下のポイントを確認しましょう。
✅ 洗濯前のチェックリスト
- 洗濯桶マークの有無 → 家で洗えるか判断
- 数字と線の本数 → 温度と洗い方の強さを確認
- 三角マーク → 黄ばみ対策に漂白剤が使えるか
- 四角マーク → 乾燥方法(平干しか、つり干しか)
- ×マーク → 禁止事項を見逃さない
🎯 よくある失敗パターン🎯 よくある失敗パターン
「実は、当店に持ち込まれる縮みトラブルのNo.1は『手洗いマークを洗濯機で洗ってしまった』ケースなんです。」
ついつい「これくらいなら大丈夫」と洗ってしまいがちですが、後悔しないためにも以下の失敗例をチェックしておきましょう。
❌ 手洗いマークを無視して標準コースで洗濯 → 縮みや型崩れの最大原因! ❌ 温度表示を見ずにお湯で洗濯 → 縮み・色落ち ❌ ニットをハンガー干し → 自重で伸びて型崩れ ❌ 乾燥機NGなのに乾燥機使用 → 子供服サイズになるほどの縮み
👉まとめ:洗濯表示は「服を買う時」から始まっている
今回は衣替えの時期に向けて洗濯表示の読み方を解説しましたが、最後にクリーニング屋として、みなさんにどうしてもお伝えしたいことがあります。
「クリーニング屋としては、特に買う前に『クリーニング出来るのか?』または『家でお洗濯できるのか?』、この確認だけはしておいてほしいです」
デザインが気に入っても、メンテナンスができないと長く着ることが難しくなります。もし、タグを見てクリーニングも水洗いも「×(ダメ)」になっている場合は、**「どうしてそのような表示を付けているのか?」**を店員さんに教えてもらうといいでしょう。理由に納得して買えば、その後のケアも変わってくるはずです。
今年の衣替えは、ぜひ洗濯表示を味方につけて、大切な衣類を長く楽しんでくださいね!
参考情報:


コメント