なぜ?ラーメンのスープやミートソースのシミが家庭洗濯で落ちない専門的な理由

クリーニングブログ

「あーっ!」

楽しい食事の時間、ふと聞こえる子どもの声。テーブルの上には、倒れたコップや食べこぼしたミートソースの跡…。子育てあるあるの光景ですよね。

「大丈夫、すぐに洗えば落ちるから」

そう思って、すぐに洗濯機を回したのに、乾いた服を見てがっかり。うっすらと、でも確実に残っている黄色いシミ。ラーメンのスープやカレーうどん、お気に入りの服に限って、なぜかやってしまいがちです。

すぐに洗ったのに、なぜ油が絡んだ食べ物のシミは、こうも頑固なのでしょうか? 実はそこには、家庭洗濯の「水」と、プロが使う「ある液体」との根本的な違いが関係していました。

今回は、北九州市で50年以上クリーニング店を営む私たちが、その専門的な理由を分かりやすく解説します。

理由その1:そもそも「水」と「油」は混ざらない

まず大前提として、ご家庭での洗濯は「水」を使って汚れを洗い流します。 一方で、食べこぼしのシミの原因の多くは「油(油溶性の汚れ)」です。

水と油が反発し合うのは、サラダのドレッシングを思い浮かべると分かりやすいですよね。どれだけ強く振っても、時間が経てばまた分離してしまいます。

洗濯機の中で衣類がどれだけ力強くかき混ぜられても、水の力だけでは油汚れの粒子をしっかりと捕まえることができず、多くが繊維の中に残ってしまうのです。

理由その2:油は繊維の”奥深くまで”染み込む

油汚れの厄介な点は、ただ衣類の表面にくっついているだけではない、という部分にあります。

油は液体なので、生地の織り目や繊維の一本一本の、そのまた奥深くへと、時間をかけて浸透していきます。一度繊維の芯まで染み込んでしまった油は、表面を水で洗い流すだけの家庭洗濯では、到底届きません。

これが、シミがうっすらと輪のように残ってしまう「輪ジミ」の正体です。

理由その3:油が「接着剤」の役割をしてしまう

ラーメンのスープやミートソースのシミが特に落ちにくいのは、汚れが油だけではないからです。

  • 色素(色): トマトの赤色、カレーの黄色など
  • タンパク質: 肉や卵の成分
  • 固形物: 細かい野菜のカスなど

これらの様々な汚れが混ざり合っています。そして、油がまるで「接着剤」のような役割を果たし、これらの色素や固形物を繊維にガッチリと固着させてしまうのです。

ご家庭で焦ってゴシゴシこすったり、お湯をかけたりすると、この接着がさらに強固になったり、タンパク質が熱で固まってしまったりして、かえってプロでも落とせない頑固なシミになることがあるので注意が必要です。

プロは「油で油を制す」。ドライクリーニングの仕組み

では、私たちプロはどうやってこの頑固な油汚れを落とすのか? その答えが**「ドライクリーニング」**です。

ドライクリーニングは、水を一切使わず、油を溶かす性質を持つ**「有機溶剤」**という特殊な液体で衣類を洗います。

油汚れがたっぷりと染み込んだ衣類をこの溶剤の中に入れると、繊維の奥で固まっていた油がゆっくりと溶け出し、接着剤の役割を失った色素や固形物も一緒に剥がれ落ちていきます。

つまり、家庭洗濯が**「水で汚れを洗い流す」アプローチなのに対し、プロのクリーニングは「油で油を制す」**という、全く異なるアプローチで汚れに立ち向かっているのです。

ご家庭で格闘する前に、私たちにご相談ください

「このシミ、もう落ちないかも…」と諦める前に、ぜひ一度私たちファミリークリーニングにお持ちください。

私たちは、ドライクリーニングだけでなく、シミの種類や生地の素材を見極め、何十種類もの薬品を使い分ける「シミ抜き」の技術も持っています。

📍 北九州市小倉南区で1970年から続く、家族経営のクリーニング店です。あなたの大切な衣類を、まるで自分の家族のもののように、心を込めてケアさせていただきます。

「これは何のシミか分からない」「いつ付いたか覚えていない」そんな場合でも大丈夫です。長年の経験と知識で、最適な解決策をご提案します。

コメント