衣類の保管中に発生するトラブルは本当に多い。
今までのお客様からの相談されたことを思い出すと、夏に雨が多い年は多いように感じる。これは高温多湿だからだろう。
今日のクリーニング依頼は、革ジャンバーと合成皮革の衣類をくっつけて保管しておいたら、合成皮革が溶けて革ジャンバーに合成皮革の色が移ったから取れないでしょうか?というものでした。
Before
After
合成皮革という繊維は、2〜3年で寿命を迎えます。寿命を迎えると、溶けたり、べたついたり、表面が剥がれたりと本当大変です。高温多湿の日本の気候では、保管中でも「加水分解」を起こし、夏の暑さで溶けて、並べて置いてあった革のジャンバーへと色が移ってしまったようです。
表面的なものは比較的簡単に綺麗にできたのですが、革の繊維に入り込んでいるものは苦労しました。染み抜き後、ドライクリーニングを施し、表面のトップコートが弱って革が白っぽく感じたので、トップコートを施し仕上げました。
*合成皮革はクリーニング店でクリーニングを断れた、と相談を受けます。それは合成皮革はドライクリーニング溶剤でも溶けやすく、また水洗いでも加水分解を起こしてしまう性質を持っているからで、クリーニング後にべたついたり、表面のコーティングが剥がれたりする可能性があるからです。当店ではそのようなリスクを理解した上でクリーニングをしております。お気軽にご相談ください。
「革ジャンバーに合成皮革の劣化による色移り」へのコメント
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