胸ポケットにさしたボールペンが、知らないうちに当たっていた。白衣でよくあるのが、この油性ボールペンの線です。
今回は、白衣についた油性ボールペンを染み抜きした事例をご紹介します。

白衣についた油性ボールペン、染み抜きの流れ
油性ボールペンのインクは、水では落ちにくい性質です。生地や色に合わせて、次の流れで少しずつ取っていきます。
ポイントは、インクを「こすって消す」のではなく、「溶かして、下に移す」こと。裏に吸い取るための布を当てておき、溶剤でゆるめたインクを上からたたいて、少しずつ下の布へ移していきます。こすると、ゆるんだインクが周りの繊維に広がってしまうからです。



今回の白衣は、染み抜きしたところがキレイに取れました。
知っておくと役立つ、ボールペンのインクの話
ひと口にボールペンといっても、インクには大きく分けて「油性」「水性」「ゲル」の3種類があります。
- 油性:色のもとを、油と樹脂で練ったインク。水をはじくので、雨や水にぬれてもにじみにくいのが長所です。そのぶん、服についたときは水洗いではまず落ちません。
- 水性:水にとけやすいインク。書き味は軽いですが、服についたときは水でにじんで広がりやすい性質があります。
- ゲル:水性インクをジェル状にしたもの。色がくっきり出るぶん、繊維の奥に入り込むと落としにくいことがあります。
つまり、「どのインクか」で落とし方がまったく変わります。お店では、まずインクの種類と生地の素材を見てから、使う溶剤を決めています。
また、インクの中の樹脂は、時間がたつと繊維にからんで固まっていきます。ついてすぐのほうが落としやすいのはそのためです。洗濯や乾燥機の熱が加わると、さらに落としにくくなることがあります。
ちなみに、除光液に入っている「アセトン」は、アセテートなど一部の合成繊維を溶かしてしまうことがあります。ネットでよく見る裏ワザですが、素材によっては生地に穴があいたり、白い部分が変色したりするおそれがあるので、大切な服では試さないでください。
胸ポケットにペンをさすことが多い白衣や作業着、ワイシャツは、ボールペンのシミの「あるある」です。ペンをさすときはキャップや芯を引っ込めるのを忘れずに。
ボールペンがついたら、やめておきたい3つのこと
- ✕ ゴシゴシこする
- ✕ 除光液などを自分で試す
- ✕ そのまま洗濯機に入れる
こすったり、薬剤を自己流で試したりすると、インクが広がったり、生地をいためたりすることがあります。見つけたら、そのままの状態でご相談ください。
どうしても気になるときの応急処置は、乾いたティッシュを上からそっと当てて、表面のインクを吸わせる程度にとどめてください。それ以上は、お店におまかせいただくのが安心です。
どうしてもご自宅で処理したいという方は、当店の家庭用シミ抜き剤「とろ~り」をお試しください。お店でも実際に使っている、油性のシミ専用のシミ抜き剤で、油性ボールペンにも使えます。使う前に、商品ラベルの使い方と注意点を必ずご確認ください。
まずは写真でご相談ください
服全体と、ボールペンがついたところのアップの写真があると、相談がスムーズです。生地や汚れの状態によって、落ち方は変わります。
ボールペンのシミ、まずは写真でご相談ください。
服全体と、気になるところの写真をお送りください。
写真で確認できる範囲をご案内し、染み抜きの可否や詳しい内容は実物を確認してお伝えします。




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