ファミリークリーニングFAMILY CLEANING · KITAKYUSHU LINE相談
メニュー

人はどうして「家庭洗濯×」の服まで、家で洗ってしまうのか?

白いニットの洗濯タグを手で確かめる、家庭洗濯禁止の服のお手入れを考える説明用画像 お洋服のケア

家庭洗濯×の服を家で洗ってしまうのは、だらしないからではありません。「お金」「手間」「前は大丈夫だった経験」「ネットの情報」が重なって、「たぶん平気」と思わせてしまうからです。

タグを見て「×」に気づいていても、つい洗濯機に入れてしまう。そして縮んだり、形が崩れたりしてから後悔する。クリーニング店のカウンターでも、こうしたご相談は少なくありません。

この記事では、北九州で1970年からクリーニング店を営むファミリークリーニングの立場から、人が「×」の服まで家で洗おうとしてしまう理由をひもときます。あわせて、家で洗っていい服と、お店に任せたほうがいい服の見分け方もお伝えします。

文:神林章二(ファミリークリーニング)
この記事には、当店商品の紹介が含まれます。

そもそも「家庭洗濯×」マークとは

洗濯おけに×が付いたマークは「家庭での洗濯禁止」です。洗濯機はもちろん、手洗いも含めて家では洗えない、という意味です。経済産業省・消費者庁のパンフレットでも、この記号の衣類は家で洗うことはできない、と説明されています。

洗濯表示は2016年12月から国際規格に合わせた記号に変わり、2024年8月にも記号が追加されました。大事なのは、表示が「取り扱いの上限」を表していることです。たとえば「40」は洗濯温度の上限が40℃という意味で、洗う強さは記号の下の線などで確認します。温度だけでなく、強さや乾かし方も守りましょう。

×の場合は、家庭洗濯の範囲で「この温度・この強さなら洗える」という許可を示していません。

ただし、×は「水が絶対にダメ」という意味ではありません。クリーニングの欄に丸の中の「W」があり、そこに×が付いていなければ、表示の条件に沿ったウエットクリーニングができます。これは、お店が専用の技術で行う水洗いと仕上げのことです。

つまり「家庭洗濯×」は、水に触れることすべての禁止ではなく、家庭での洗濯機洗いや手洗いをしてはいけないという表示です。

タグの記号が分からないときは、洗濯表示チェッカーもご利用ください。

▶ 洗濯表示チェッカーで記号を確認する

「×」の服まで家で洗ってしまう7つの理由

家で洗ってしまう理由は、ひとつではありません。ここからはクリーニング店の立場から考えられる背景を整理します。いくつもの「まあ大丈夫だろう」が重なると、洗濯機のフタを開けたくなってしまいます。

1. クリーニング代を節約したい

クリーニングは1着ごとに料金がかかります。ニットやブラウスのように着る回数が多い服ほど、「毎回出していたらもったいない」と感じやすくなります。

2. 出しに行く・取りに行くのが面倒

店頭でのクリーニングは、出す時と受け取る時の2回、お店に行く必要があります。仕事帰りに間に合わない、子どもを連れて行くのが大変。そんな事情があると、「家で洗えば今日で終わる」ほうを選びたくなります。

3. 「前に洗って平気だった」という成功体験

一度×の服を洗って無事だった経験があると、それが自信になります。でも、それは素材や形、洗い方がたまたま合っていただけかもしれません。次の服も同じ結果になるとは限りません。

4. 「ドライコース」や「おしゃれ着洗剤」の安心感

洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」は、水を使ったやさしい洗い方です。名前が似ていても、水ではなく専用の溶剤で洗うお店のドライクリーニングとは別物です。機種ごとの洗える範囲は、洗濯機の説明書も確認してください。

それでも「ドライ」という言葉や、デリケートな服も洗えるという洗剤の説明を見ると、「家でもお店と同じことができる」と感じてしまうことがあります。

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の2008年度調査報告書でも、当時の洗剤・洗濯機の宣伝と節約志向が、家庭洗濯を増やした背景ではないかと考察されています。おしゃれ着用の洗剤でも、家庭洗濯×の表示を変えることはできません。

5. ネットやSNSの「家で洗えた」情報

検索すると、「×でも洗えた」「縮まない洗い方」といった体験談が出てきます。ただ、その人の服とあなたの服は、素材も作りも違います。目に入った成功例だけで判断せず、自分の服の表示を確かめることが大切です。

6. 汗やニオイを今すぐスッキリさせたい

汗をかいた服は、水でザブザブ洗いたくなるものです。「お店に出すまで待てない」「水で洗ったほうがスッキリしそう」という気持ちが、×の表示より勝ってしまいます。

7. 表示の意味を、きちんと理解する機会が少ない

記号の細かな意味まで覚える機会が少ないと感じる方もいるでしょう。表示が「上限」を表すことや、×が何を意味するのかを知らなければ、「たぶん大げさに書いてあるだけ」と考えてしまうこともあります。

先ほどの2008年度報告書で紹介された別の調査では、既婚女性の約6割が「洗濯力」に「自信なし」「どちらかというと自信なし」と回答しています。これは当時の調査結果ですが、洗濯に迷いを感じる人がいることがうかがえます。

家で洗うと起きやすいトラブル

当時の調査で、失敗経験の回答が目立ったのはニットでした。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の2008年度調査(回答10,521件)では、回答者全体のうち、セーター・カーディガンを「家庭で洗濯する」と答えた人が47.4%、「洗濯に失敗したことがある」と答えた人が32.5%でした。

回答者全体を100人とすると、約47人が「家で洗う」、約33人が「失敗したことがある」と答えた計算です。

この数字は2008年度の調査で、現在の実態や、1回の洗濯で失敗する確率を示すものではありません。また、家庭洗濯禁止の衣類だけを対象にした結果ではありません。

同じ報告書にあるクリーニング業者への別のアンケートでは、セーター・カーディガンについて、家庭洗濯後の修正や洗い方の相談を受けたことがあるという回答が81.4%でした。多かった内容として「縮み・伸び」「風合いの変化」が挙げられています。

衣類の素材や作りに洗い方が合わないと、たとえば次のようなトラブルにつながります。

トラブル 注意したい服・素材 起きる理由の例
縮み・フェルトのように固くなる ウール・カシミヤのニット 水・温度・もみ洗いなどの条件で、繊維どうしが絡み合うことがある
型崩れ・シワが戻りにくい スーツ・ジャケット・コート 表地・裏地・芯地などの縮み方の違いや、肩パッドなどの変形が影響する
表面のブクブク・はがれ ジャケットの前身頃や襟 洗い方や経年の影響などで、接着芯がはがれることがある
縮み・ゴワつき レーヨン・キュプラを使った服 吸水による寸法や風合いの変化、ぬれた状態での力のかかり方が影響する
色落ち・色移り 濃い色の服・シルクなど 染料や染色の状態によって、水・洗剤・摩擦などの影響で色が移ることがある
光沢や手ざわりの変化 シルク・アセテートなど 水や摩擦などで、生地の表面が変化することがある

同じ素材名でも、加工や衣類の作りによって洗える範囲は異なります。素材だけで一律に判断せず、衣類全体の取扱表示を優先してください。

困るのは、こうしたトラブルが元に戻しにくいことです。一度縮んで固くなったウールは、お店でも元どおりにするのが難しい場合があります。

家で洗う?お店に出す?プロの見分け方

最初に見るのは洗濯表示です。洗濯おけに×があれば、以下のほかの条件にかかわらず、家庭洗濯はしません。

そのうえで、形・素材・色・汚れ・思い入れも判断の材料にします。ひとつでも右の列に当てはまる場合や、表示どおりに扱えるか分からない場合は、お店にご相談ください。

チェックする点 家で洗うときの目安 お店に相談したい目安
洗濯表示 家庭洗濯可の表示があり、温度・強さ・乾かし方などを守れる 洗濯おけに×がある、表示が読めない、意味が分からない
服の形 家庭洗濯可のTシャツなど、形を整えて干しやすい服 立体的なスーツ・ジャケット・コート、プリーツなどで扱いに迷う
素材 家庭洗濯可の綿・ポリエステルなど ウール・カシミヤ・シルク・レーヨン・アセテートなどで、指定の扱い方に迷う
色 家庭洗濯可で、製品の案内に従った確認でも色落ちがない 色落ちする、濃色・鮮やかな柄・色の切り替えなどで不安がある
汚れ 表示に沿った家庭洗濯で対応できる軽い汗や汚れ 目立つシミ・時間がたったシミ
思い入れ 表示どおりの家庭洗濯で手入れしたい普段着 高価な服・思い出の服・代わりがない服

色落ちの確認は、家庭洗濯が認められている服で、衣類や洗剤の案内に沿って行います。一般的には目立たない場所に洗剤液を少し付け、白い布で押さえて確かめる方法があります。布に色が付いたら、家で洗うのはやめておきましょう。確認で色が出なくても、すべての色落ちを防げるわけではありません。

シミは、自分でこすると広がったり、生地を傷めたりすることがあります。落とせるかどうかは素材や汚れによりますが、無理に触る前に、早めにお店へご相談ください。

反対に、表示どおり家で洗える服は、上手に家で洗うのが経済的です。洗濯ネットの指定があれば使い、表示の温度と強さ、乾かし方を守ってください。

まとめ:×は、家庭での洗濯をしないためのサイン

人が×の服まで家で洗ってしまう背景には、お金・手間・成功体験・ネットの情報・表示への理解など、いくつもの事情が考えられます。誰にでも起こりうる、ごく自然な気持ちです。

ただ、×の表示は「家庭での洗濯はできない」というサインです。お気に入りの1着を長く着るために、迷ったら一度、タグと一緒にお店でご相談ください。

ファミリークリーニングにご相談ください

ファミリークリーニングは、1970年創業、北九州市小倉南区のクリーニング店です。店頭でのお預かりのほか、全国からの宅配クリーニングや、京特殊染み抜きも承っています。

家で洗っていいか迷う服は、公式LINEからお気軽にご相談ください。
衣類全体・気になる箇所・洗濯表示の写真を添えていただくと、状況を確認しやすくなります。

LINEで衣類のお手入れを相談する

家で洗える服には、風合いにこだわった当店のこれだけ洗剤もご紹介しています。使用できる衣類と製品の使い方をご確認ください。家庭洗濯×の服を洗えるようにするものではありません。

コメント

HOME LAUNDRY CARE

プロの知恵を、
ご家庭のお洗濯にも。

ファミリークリーニングの家庭用ケア用品。毎日のお洗濯に役立つ、使い方とコツをご紹介します。

MEDIA

商品の特徴を、動画で。

「これだけ洗剤」と「とろ~り」の紹介動画です。

これだけ洗剤の商品情報・使い方を見る →

とろ~りの商品情報・使い方を見る →

とろ~りの関連記事を読む →

衣類について迷ったら、写真でご相談ください。

LINEで写真相談する →電話 093-471-3190